9月14日

砂利を少し砕いた

さらさらな斜面を降りる

雲ひとつない青空

昨日までの雨のせいか

日差しはそれほど気にならない

無風のダム湖へ

そうっと

艇をしのばせる

オールを掻くと

あめんぼうのように

すーっと

水面を流れる

人工のダム湖と聞いていたが

自然を出来る限り残して造られたそれは

日本では味わえない

いきふんをかもし出し

瞬間

絵画の一部になったような

二次元の世界

ふとすると

四次元に溶け込んでいるかのような

錯覚にとらわれる

潤い

そして御能が溶け出しそうになる

時が止まるのを感じる

昇天し

蒸発してしまいそうになる自分を

必死にこらえる

実感してしていないのだが

日常の慌しさを

改めて意識する

奈良俣湖

とてもいい時間が流れる場所